皆様、大変長らくお待たせ致しました。 ずいぶんと前から『近日公開』と書いて期待させるだけさせて、５ヶ月という月日が経ってしまいました。 関係者の方、大変申し訳ありませんでした。
早速本題に入りますが、今年の４月末から５月初めにかけて、名古屋グランパスエイトを訪問して参りました。 なぜこうなったかという経緯はというと、グランパスエイトは選手やチームが強化合宿や試合の目的で毎年オランダに来ていて、今年で７年目になるそうです。 そのアレンジを毎回行っているのが、いつも『J-Dream』を影から支えて下さってるチームのご意見番・島田さんで、前回『J-Dream』の子供たちに、Jリーグでも大活躍した元オランダ代表ファネンブルグ氏≪PSVアイントホーフェン≫に会いにいくというプレゼントをしてくださった方なんです。 そこで私が、現在の日本の子供たちはどんな環境で、またどのような練習をしてどれくらい上手いのかを見てみたいというわがままを言って、また私の実家が同じく名古屋ということもあり、訪問させて頂けることとなりました。
またもうひとつ、同時期にオランダから名古屋へご帰国された『J-Dream』の元エースで、あのアヤックスからもスカウトを受けたこともある高野聖也くんを、グランパスの練習に参加させてあげたいというわがままも聞いてもらい、彼も一緒に訪問して参りました。
帰国して早速グランパスにお電話をしたら、オランダからの変わった訪問者にも関わらず、本当に親切にご対応頂き、すぐにトレーニング見学という運びになりました。
豊田市にあるクラブハウスに到着すると、こんな私を暖かく出迎えてくれたのはグランパスユースアカデミーの主務でいらっしゃる田尻様、また１２歳以下のコーチをされている山内コーチ。 そしてもう一人、日本人に混じって流暢な日本語で挨拶をされるオランダ人がいました。 彼こそがグランパスユースアカデミーでスクールマスターを務めるステンリー・ブラーツさんで、グランパスに来て３年目、それ以前もグランパスとはオランダに来るようになった７年前からの付き合いなんだそうです。
オランダからの訪問者で、またオランダのお土産（チーズ・紅茶等）持参だったのがよっぽど気に入ってもらえたのか、初めはご挨拶に伺うだけのはずで私服だった私にステンリーさんのおっきいユニホームを貸してくれて、また車にも乗せてくれてグランパスユースが使用している施設全てを順番に案内してもらいました。
その後は、グラウンドで子供たちのトレーニングを一緒に見ながら、さすがに日本のチームとの付き合いが長く、日本のサッカー事情も知り尽くした目から見る、日本とオランダのサッカーの環境やチーム経営、指導法などの違いを、本当に親切に分かりやすくお話し頂きました。 つい私も、気がついたら日が暮れていたくらい熱中してしまいましたが、最後まで嫌な顔ひとつせずお付き合い頂いたところに、ステンリーさんのサッカーへの情熱を感じることが出来ました。
現に、オランダが日本よりも強いからといってオランダの指導法の方が優れているとは思わないそうで、オランダの指導法に日本人の性格やオランダ人より優れたところ生かすことを上手く組み合わせた指導を行っており、日本人のサッカーに取り組む姿勢は本当に素晴らしく、将来は日本の方がオランダよりもずっと強くなるとまで断言されていました。
さて注目の高野くんは、こちらも早速グランパスの５年生チームに混ぜてもらい、練習だけでなく試合にも参加させてもらいました。 さすがに、ステンリーさんや山内コーチのトレーニングを受けているグランパスの子供たちは非常にうまく、また高野くんも帰国でサッカーをしていなかった時間が長かったこともありあまり活躍は出来ませんでしたが、今の時点でオランダと日本両方のトップクラスのサッカーが自ら経験できたというのは、これからのサッカー人生に大きな効果をもたらしてくれるのではと確信しています。
この５年生チームは、私がオランダに来て初めて１１・１２歳の子供が大人用のフルコートで１１対１１の試合をそつなくこなす姿を見て、『あっ、これがオランダと日本のレベルの違いなんだな』と思ったことを、難なくこなしていました。 山内コーチ曰く、フルコートで行うのは今回で２回目とのことでしたが、本当にオランダ人の子供に負けないくらい素晴らしい試合っぷりで、私が子供の時では全く考えられなかった、ずばりカルチャーショックにあったような気がしました。 理由は、試合だけでなくハーフタイムや試合後の話、またトレーニングも見せて頂き、十分に納得が出来ました。 山内コーチのもとで子供たちは本当に生き生きと、また伸び伸びとサッカーを行っていて、上から怒鳴りつけるのではなく、子供たちが自分で考えてサッカーする。 そのために、山内コーチは指導時の掛け声の内容やタイミングに気をつけているような印象を受けました。 特に、タイミングが絶妙で、例えば良いプレーをしたその瞬間に『ナイスプレー』という声が瞬時に飛ぶ。 これで子供たちは今のは良いプレーなんだと自然に体で覚えていくんです。 これはまさに私の目指す指導法を目の前で見せてもらったような気がして、私にとっても本当に良い勉強をさせて頂きました。 改めて御礼を申し上げます。
そして訪問最終日。 私のわがままからはじまって、また十分過ぎるくらい勉強をさせてもらったにも関わらず、皆様よりグランパスの指導者用トレーニングウェアを頂いてしまい、またステンリーさんからは「次回帰国した時も、またこれを来てくるように」と、また「グランパスがオランダに行ったら、これを着て手伝ってほしい」と、本当に心温まるお言葉を頂きました。 私はもちろん、最大の感謝の気持ちをお伝えしつつも「本当にまた来ます！」と、またまたわがままを言い残してオランダに戻って参りました。
改めまして、お世話になりましたグランパスエイト・田尻様、山内コーチ、ステンリーさん、本当にありがとうございました。 また島田さんにも、とんだわがままを大変失礼致しました。 きっとまた、いろんなわがままをお願いすると思いますが、これに懲りずにどうぞ宜しくお願い致します。
最後にグランパスの皆様、将来グランパスが日本のトップチームになる日は近いと確信致しました。 これからも日本のサッカーがもっともっと盛り上がるよう、お体に気をつけて頑張ってください。 こんな私で宜しければ、どんなお手伝いでもさせて頂きます。 |
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